研究課題
基盤研究(C)
本研究では、研究代表者らが開発したヘテロ4量体形成ペプチドを利用した特異性タンパク質連結技術の高度化を図ることによって、次世代抗体医薬の開発に資する技術の確立を目指した。まず、以前に作製した二重特異性抗体に対して、異なる特異性を付与することによって、三重特異性化を達成した。さらに、二重特異性抗体薬物複合体を作製し、その機能を評価した結果から、特異的タンパク質連結技術が薬物送達系の構築に利用できることを示した。
タンパク質工学
抗体医薬は、がんやリウマチなど治療が難しい疾患に対する副作用の少ない治療薬として期待され、その重要性はますます高まっている。その一方で、高額な治療費が課題とされていることから、治療費の低減に向けた取り組みは医療経済的観点から重要である。本研究では、抗体高機能化技術の高度化を達成できたことから、抗体医薬の機能向上による低用量化を通じて、抗体治療の低コスト化に貢献できると期待される。