研究課題/領域番号 |
17K08371
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
松野 研司 工学院大学, 先進工学部, 教授 (50433214)
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研究分担者 |
大野 修 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (20436992)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 創薬 / 抗がん剤 / 細胞周期 / 標的分子探索 / プローブ分子 / 医薬化学 / ケミカルバイオロジー |
研究実績の概要 |
先例のない新規フェノタイプを伴う細胞周期阻害剤1は、従来の抗がん剤とは全く異なる分子細胞生物学的性質を示したことから、今までにない抗がん剤に進化することが期待される。今年度は、化合物1の誘導体合成と評価をさらに進めるとともに、作用機序解明の検討を実施した。 誘導体合成の方針としては、① R1~R3 を変換した化合物&新たな官能基(FG)を導入した化合物の合成と評価、② 置換基R4 の探索によるバリエーション拡充、③ 上記①および②のハイブリッドの3つの方策で検討した。その結果、細胞増殖阻害活性が増強した化合物を見出すことに成功した。この誘導体合成&評価に伴って、R1~R4における必要な構成要素を特定することができ、詳細な構造活性相関を解明した。 次に、昨年度に合成した標的分子探索用プローブ分子を活用し、標的分子探索を検討した。導入タグとしてケミカルバイオロジー研究において実績のあるアミノ基(各種樹脂に固定化可能な化学標識)を導入したことから、プローブ分子のアフィニティビーズへの固定化に関する予備実験はおおむねうまくいった。しかしながら、使用予定であった細胞株の培養に難航した。種々の条件検討の結果、相当の時間を要したものの、安定的に培養できる条件を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
評価に使用する細胞株の調子が悪化し、予定していた細胞を使用した実験が進捗しなかったため(現在はこの問題は解決している)。また、測定機器であるTOF-MS(所属機関所有)の故障が頻発し、使用できない期間が断続的に発生し、研究が遅延した(現在はこの問題は解決している)。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画より1年弱遅れることになったが、合成したプローブ分子を活用したケミカルバイオロジー研究により、化合物1の標的分子を同定する。 今年度問題となった点は解決できており、後は当初計画通りに研究を進める。 同定した標的分子は、真の標的分子であることを検証するとともに、抗がん剤標的分子としての適格性を立証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた細胞レベルでの標的分子探索において、所有していた細胞株の調子が悪く、安定的な培養が困難となった(現在は問題点が解決)。また、測定機器であるTOF-MS(所属機関所有)の故障が頻発し、使用できない期間が断続的に発生した(現在は修理済)。
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