研究実績の概要 |
これまでに合成したシアリダーゼプローブの臭素原子を足場として、薗頭カップリングを用いてポリエチレングリコール鎖を連結した alkyne ユニットを導入した誘導体の合成を検討した。 まず、従来型プローブの前駆体である (1S,2R)-1-((2R,3R,4S,6S)-3-acetamido-4-acetoxy-6-(2-(benzo[d]thiazol-2-yl)-4-bromophenoxy)-6-(methoxycarbonyl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)propane-1,2,3-triyl triacetate (1) をグラムスケールで合成し、リンカー導入のための条件検討に用いた。 一般的な薗頭カップリングの条件を用いて(1S,2R)-1-((2R,3R,4S,6S)-3-acetamido-4-acetoxy-6-(2-(benzo[d]thiazol-2-yl)-4-(3-(2-(2-(2-((tetrahydro-2H-pyran-2-yl)oxy)ethoxy)ethoxy)ethoxy)prop-1-yn-1-yl)phenoxy)-6-(methoxycarbonyl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)propane-1,2,3-triyl triacetate (3) を合成した。続いて、末端保護基 (THP) を酢酸で除去してアルコール体とし、続いてトシル体 (4) とした。さらに NaN3/DMF 条件でアジド体とした。合成した 5 をアミノ体 (6) として、樹脂導入ユニットを合成した。 末端にアミノ基或いは、カルボキシ基を有する樹脂にユニットの導入検討を行った。結果として、アミド型が最も確実に導入できることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、効率の良いポリエチレングリコール鎖の長さを延長した誘導体の合成を検討する。同時に、(2S,4S,5R,6R)-5-acetamido-2-(4-(3-(2-(2-(2-aminoethoxy)ethoxy)ethoxy)prop-1-yn-1-yl)-2-(benzo[d]thiazol-2-yl)phenoxy)-4-hydroxy-6-((1R,2R)-1,2,3-trihydroxypropyl)tetrahydro-2H-pyran-2-carboxylic acid (7) を樹脂上に直接導入して、最終段階における脱保護段階を省略できる合成法の検討を行う。また、黄緑系の蛍光色を有する (2S,4S,5R,6R)-5-acetamido-2-(5-(2-(2-(2-(2-aminoethoxy)ethoxy)ethoxy)ethoxy)-2-(benzo[d]thiazol-2-yl)phenoxy)-4-hydroxy-6-((1R,2R)-1,2,3-trihydroxypropyl)tetrahydro-2H-pyran-2-carboxylic acid (8) の合成も合わせて行い、樹脂へ 7, 8 を導入したものとノイラミニダーゼが反応するか調べる。
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