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2017 年度 実施状況報告書

大気中のバイオエアロゾルと喘息増悪の関係の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08396
研究機関京都薬科大学

研究代表者

渡辺 徹志  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90182930)

研究分担者 長谷井 友尋  京都薬科大学, 薬学部, 講師 (10388027)
松本 崇宏  京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30780431)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード大気汚染 / リポポリサッカライド / エンドトキシン / タンパク質 / 喘息
研究実績の概要

京都市において7月から11月までの5カ月にわたって1週間分ずつ毎月4週分(合計20週分)の大気粉塵をハイボリウムエアサンプラーを用いて石英繊維製フィルター上に捕集した。各粉塵について抽出液を調製し、リポポリサッカライド(LPS)とβ-グルカンを市販の測定キットを用いて測定した。また、水溶性イオンもイオンクロマトグラフを用い測定した。
大気粉塵中のLPS、タンパク質などと喘息発作との関係を解析するため、2014年9月から2016年5月に京都市内の救急外来を受診し、喘息発作と診断された患者を電子カルテ情報から調査し、月ごとの喘息発作数に関するデータを得たるとともに、その結果と昨年度までに得ていた同期間に捕集した大気粉塵中のLPS、タンパク質の濃度などとの調査結果との関係を単回帰分析および重回帰分析により解析した。その結果、喘息発作件数と大気粉塵中のLPS濃度が有意な正の相関関係にあることがわかった。
大気粉塵成分の炎症性サイトカイン誘導能をTHP-1改変細胞を用いて測定するため、試料溶液の調製法と前処理法について検討した。その結果、大気粉塵抽出液を遠心分離してフィルター繊維をできるだけ除いたのち、上清をセルストレーナーでろ過することで、抽出液中のLPSなどを損失することなくフィルター繊維を含まない粉塵抽出液を得ることができることがわかった。本方法を用いて炎症性サイトカイン誘導能測定用抽出液を調製し、凍結乾燥して誘導能測定用試料を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度に実施することを計画していた研究のほぼすべてを行うことができた。また、研究成果を学会において発表するとともに論文としてまとめ学術雑誌に投稿した。

今後の研究の推進方策

昨年度大気粉塵を捕集した期間に医療機関の救急外来を喘息発作で受診した患者数を調査するとともにその結果と昨年度分析した大気粉塵中のLPS、β-グルカン、水溶性イオンなどとの関連を解析する。また、昨年度調製した大気粉塵抽出物について炎症性サイトカイン誘導脳を測定する。さらに、高濃度のLPSが検出された大気粉塵について、高濃度LPSの原因菌を解明するため、DNA抽出液を調製し細菌叢解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度は、大気粉塵の炎症性サイトカイン誘導能の測定のための試料調整に時間がかかり分析する時間が少なく試薬の購入が予定より少なかった。本研究は平成30年度に実施する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 大気粉塵の化学・生物学的成分による汚染とその生体影響2017

    • 著者名/発表者名
      渡辺徹志
    • 学会等名
      第44回日本毒性学会
  • [学会発表] Seasonal Fluctuation of the Concentrations of Endotoxin, Protein and Ionic Substances in Outdoor Air and their Effect on Asthmatic Patients.2017

    • 著者名/発表者名
      Mohammad Shahriar Khan, Nami Furukawa, Yuuki Kubo, Yusuke Nakaoji, Yumi Kawase, Tomohiro Hasei, Takahiro Matsumoto, Yoshitaka Yano, Yuya Deguchi, Hiroaki Nagaoka, Makoto Miura, Yukio Nagasaka, Nobuyuki Yamagishi, Tetsushi Watanabe
    • 学会等名
      フォーラム2017衛生薬学・環境トキシコロジー
  • [学会発表] 西日本における大気中のタンパク質、エンドトキシン、イオン類の濃度の季節的変動と長距離輸送の影響.2017

    • 著者名/発表者名
      渡辺徹志、Khan Mohammad Shahriar、古川奈美、久保裕希、中大路友亮、河瀬裕美、長谷井友尋、松本 崇宏、出口 雄也、長岡 寛明、山岸 伸行
    • 学会等名
      第58回大気環境学会

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公開日: 2018-12-17  

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