研究課題/領域番号 |
17K08400
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
吉原 大作 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00567266)
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研究分担者 |
藤原 範子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10368532)
崎山 晴彦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30508958)
江口 裕伸 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60351798)
鈴木 敬一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70221322)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 酸化ストレス / 鉄代謝 / フェロトーシス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「フェロトーシス(Ferroptosis、鉄依存的細胞死)の分子機構」を明らかにして、加齢による生体機能の低下(=老化)に鉄が果たす役割を解明することである。 フェロトーシスは、鉄キレート剤によって阻害されることから、鉄依存的な「制御された細胞死(Regulated cell death:RCD)」であると定義されている。RCDは、生体恒常性を維持する上で非常に重要な機構で、老化との関連も深い。研究代表者らは、加齢に伴う鉄代謝異常が老化を促進する背景には、フェロトーシスが関与しているのではないかと考えている。しかしながら、どのような鉄代謝異常がフェロトーシスを引き起こすのかということは未だに明らかになっていない。これまでに、研究代表者らは、フェロトーシスが誘導される際に、細胞内の鉄量が増加していること、鉄代謝調節タンパク質IRP1が顕著に減少していることを見出している。 平成29年度には、培養細胞を用いて、フェロトーシスの誘導機構に関する検討を行った。その結果、これまでにフェロトーシスの誘導剤として知られていたErastin以外にも、酸化ストレスを誘導する薬剤によってフェロトーシスに類似した細胞死が誘導されることを見出した。また、二価鉄イオン特異的な蛍光プローブであるRhoNox-1などを用いて、Erastinや酸化ストレスによって細胞死が誘導される際の鉄イオン動態を解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通りに進めることができている。平成29年度には、まず、フェロトーシスを起こし易い細胞とフェロトーシスを起こし難い細胞のスクリーニングを行った。その結果、マウス近位尿細管由来培養細胞であるmProx24が、フェロトーシス誘導剤であるErastinに感受性が高く、フェロトーシスが誘導され易い細胞であることを見出した。さらに、このmProx24を用いて、フェロトーシスの誘導機構に関する検討を培養細胞を行った。その結果、これまでにフェロトーシスの誘導剤として知られていたErastin以外にも、活性酸素の発生剤や抗酸化酵素の阻害剤による酸化ストレスの負荷によって、フェロトーシスに類似した細胞死が誘導されることを見出した。また、共焦点レーザー顕微鏡を用いて、Erastinや酸化ストレスによって細胞死が誘導される際の鉄イオン動態の解析を行った。平成29年度には、日本鉄バイオサイエンス学会および日本生化学会の学術集会で発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度に得た結果を基に、酸化ストレスによって誘導される鉄依存的な細胞死の誘導機構について解析を進める予定にしている。また、マウスなどを用いて、生体におけるフェロトーシス誘導の意義や病態との関わりについて検討を行う予定である。平成30年度には、日本酸化ストレス学会、日本鉄バイオサイエンス学会、日本生化学会などの学術集会で発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算の執行は当初の予定通りにできており、次年度使用額が生じた理由は、試薬価格などの変更などによるものであると考えている。次年度において試薬類の購入に使用する予定である。
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