研究課題
本年度はボスチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、レンバチニブの各治療薬において、最小規格投与量から開始し、投与開始後、定期的に血中濃度をモニタリングし、マーカー血中濃度を指標に投与量を増量する(DE群)のエントリーを行った。平成29年度は、ボスチニブのLD群10名、DE群15名の解析を論文として報告し、LD群、DE群共に血中濃度は63ng/mLでの推移が重要と報告したが(Exp Hematol Oncol (2018) 7:9)、平成30年度は血中濃度と遺伝子多型の関係を論文として報告した(Med Oncol. 2018 May 7;35(6):90)。ここではNR1I2 (7635A>G, 8055C>T)遺伝子多型が、ボスチニブの血中濃度に影響を及ぼすことが明らかになった。さらにレンバチニブ標準投与量から開始し、血中濃度を指標あるいは毒性発現により減量する群(LD群)が目的症例数に達したために、結果を論文にまとめた。血中濃度と副作用の関係をMed Oncol. 2019 Mar 27;36(5):39に報告し、血中濃度と遺伝子多型の関係をSci Rep. 2019 Apr 1;9(1):5404に報告した。レンバチニブはUGT1A1を阻害することで高ビリルビン血症を起こすことが示され、CYP3A4遺伝子多型解析が重要であることが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
レンバチニブのLD群に関して論文として報告したことで、計画通りに対象薬剤すべてのLD群のターゲット血中濃度について論文としてまとめることができている。加えて血中濃度と遺伝子多型の関係について対象薬剤すべてで論文とすることができている。
各薬剤に対してDE群の症例を蓄積し、研究成果を論文にまとめる。
研究で使用したい消耗品が、7700円以内で購入できなかったため次年度に購入することにした
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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