研究課題/領域番号 |
17K08422
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
坡下 真大 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (20613384)
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研究分担者 |
松永 民秀 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (40209581)
降幡 知巳 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80401008)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 薬物透過性試験 / トランスポーターの局在 |
研究実績の概要 |
BBBモデルにおけるトランスポーター(BCRP、P糖タンパク質(P-gp))の機能解析を行うため、まず始めにiPS細胞由来脳毛細血管内皮細胞(iBMEC)のみでの薬物透過性試験を行った。透過性試験ではローダミン123やヘキスト33342を用いて行った。その結果、我々が見出した化合物の添加によりBCRPの活性上昇が認められたが、P-gpについては活性上昇が見られなかった。P-gpに関しては、より詳細な透過性試験を行うため、LC-MS/MSを用いたキニジンの濃度測定法を確立し、化合物による効果を解析したが、認められなかった。 次に、BBBモデルに共培養するiPS細胞由来ペリサイトを開発し、分化誘導法を確立した。ペリサイトであるかどうかを調べるためペリサイト特異的なマーカーを用いて免疫染色、mRNA発現解析を行い、ペリサイトであることを確認した。現在、iBMECとの共培養を行い、透過性試験について検討を行っている段階である。 iBMECにおけるトランスポーターの局在については、トランズウェル上に播種したiBMECを共焦点レーザー顕微鏡にて各トランスポーター(BCRP、P-gp)の発現における配向性を確認したところ、それぞれがapical側に局在していることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BBBモデル構築のため、iPS細胞由来BMECのタイトジャンクション機能、トランスポーター機能について解析し、またトランスポーターについては局在化についても解析を行った。その結果、タイトジャンクション機能については生体内と同等であり、長期間強固なタイトジャンクション機能を維持することに成功している。また、トランスポーター機能についてもBCRPやP-gp機能についても解析を行い、活性が認められていることを確認している。ただ、P-gp機能については発現が弱く、生体内よりも低い機能であるため、今後改良を行う必要がある。また、iPS細胞由来ペリサイトについても分化誘導法を確立し、共培養を行う準備は整ったため、概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、iPS細胞由来BMECに加え、分化誘導法を確立したiPS細胞由来ペリサイトと神経幹細胞を共培養し、BBBモデルとしての機能(タイトジャンクション機能やトランスポーター活性)を解析し、BBB in vitroモデルとして機能するか解析を行う予定である。
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