本研究課題では結晶化度を制御したセルロースを用いて薬剤の吸収・放出・拡散を制御することを提案し、薬剤投与に用いる経皮貼付剤に関わる技術開発を進めてきた。セルロース粉をブレンドしたポリエチレンフィルムにサルチル酸メチル水溶液を含浸させた薬剤層と低密度ポリエチレンフィルムを重ね合わせた系を中心に実験を進めてきた。この組み合わせフィルムを常温で一定時間放置し、各フィルム表面に拡散した薬剤量を測定することで継時的に薬剤拡散挙動が評価できる方法を確立した。セルロースの添加により初期薬剤拡散量が抑制できることが確認できた。さらに、セルロースの添加量で拡散する薬剤の量を制御できることが分かった。
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