研究課題
市販後調査はレギュラトリーサイエンス(RS)の重要な領域を担っている。米国食品医薬品局(FDA)が公開するFDA Adverse Event Reporting System (FAERS) 及び医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開するJapan Adverse Drug Event Report database (JADER)は、有害事象自発報告(SRS: spontaneous reporting system)とされ、様々な患者背景、併用薬情報を含むリアルワールドデータ(RWD)であることから、医薬品適正使用に役立つ強力なツールとされる。我々は、SRSを用いて様々な医薬品の有害事象プロファイルを明らかとした。さらに、JADERと厚生労働省が公開しているレセプト情報・特定健診等データベース(NDBオープンデータ)を組合せ、従来困難とされていた精度の高い有害事象リスク評価を試みた。令和2年度は、1)免疫チェックポイント阻害剤による免疫関連有害事象の網羅的分析、2)間質性肺炎の有害事象発症プロファイルの医薬品ごとの比較、3)不均衡分析に基づくFAERSおよびJADERを用いたライ症候群プロファイルの評価、4)日本の痔核疾患への影響因子とレギュラトリーサイエンス上の問題点をNDBデータと種々の医療情報データセットを組み合わせることで明らかとした。令和2年度は上記の内容を4報の原著論文として社会に発信している。これらの成果は医薬品有害事象プロファイルを多角的に評価したものであり医薬品適性使用に有用な知見と考えられる。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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