• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

口腔内崩壊錠の服用性評価のための試験法確立とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K08454
研究機関静岡県立大学

研究代表者

並木 徳之  静岡県立大学, 薬学部, 教授 (90514563)

研究分担者 内田 信也  静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (80372522)
柏倉 康治  静岡県立大学, 薬学部, 講師 (70746403)
田中 紫茉子  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (10559925)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード口腔内崩壊錠 / 服用性 / 臨床試験 / 電子嗅覚・味覚システム
研究実績の概要

本研究では、苦味などの不快な味を有し、かつ臨床的に汎用されている薬物であるファモチジン、プロピベリンおよびピオグリタゾンをモデル薬剤として選択する。それらの薬物についてコーティング粒子などの物理的マスキングおよび甘味料やフレーバーなどの官能的マスキングを施したOD錠を製し以下の検討を行う。
すなわち、下記の3点を目的とする。①OD錠の服用性についての臨床的評価法の確立。②上記の方法を用いてOD錠の服用性を評価し、各種マスキング法ならびにそれらの組み合わせの効果の解明。③電子嗅覚・味覚システムによる解析を行い、臨床試験結果と統合することにより、ヒトの服用性を良好に予測できる電子嗅覚・味覚システム解析法の確立。
まずOD錠の服用性についての臨床的評価法の確立として、ヒトの痛みをはじめ、感覚の評価に広く用いられるvisual analogue scale(VAS)を用い、OD錠の苦味、甘味、香り、酸味、渋味、ザラツキ、総合評価の7項目の感覚について評価し、3つの被験者群間の再現性、異なる3種のOD錠の服用順の影響、同一評価者での繰り返し再現性について検討した。3つの被験者群間の再現性評価では、崩壊中及び崩壊後の苦味、甘味、香り、総合評価の4つの項目のVASスコアは、評価した3つの群いずれにおいてもOD錠の成分含量に応じたスコアを示した。同一群における2回の繰り返し評価では、3種のOD錠の崩壊中および崩壊後のいずれにおいても4つの感覚の評価項目全てにおいて有意な差はみられず、試験の再現性が確認された。その結果、これらの結果より、VASによるOD錠服用性評価法は、OD錠服用時のヒトの感覚を直接、且つ、多くの評価項目を同時に再現性良く評価可能な方法であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に計画したOD錠の作成については、ほぼ順調に進捗している。臨床試験については、現在までの段階で倫理委員会の審査を終えている。今後、臨床試験に係わる法律の改正などにともない、プロトコールの変更について計画通りに進まないことがあるかも知れない。なお研究組織に新たな研究者を加え、臨床試験を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

モデル薬剤を含み、各種マスキングを施したOD錠を作製する。さらにそのOD錠について、臨床評価法を用いて各種のOD錠を評価する。その結果を解析し以下の件について明らかにする。i.物理マスキングの効果、ii.各種官能マスキングの効果、iii.物理マスキングと官能マスキングの組み合わせの影響、iv.主薬の服用感についてのVAS評価スペクトルの特徴づけと、特徴にあわせた官能マスキング選択法の検討。
電子嗅覚・味覚システムを上記の用いてOD錠を解析する。さらに物理的マスキング量を変動させた処方、甘味料の添加量を変動させた製剤、ならびに種々のフレーバーを添加した製剤を作成し、電子嗅覚・味覚システムにより測定する。測定結果について、ユークリッド解析およびpartial least squares解析により解析する。その結果と臨床試験の結果を統合的に解析し、ヒトの服用性を良好に予測できる電子嗅覚・味覚システム解析法を確立する。

次年度使用額が生じた理由

臨床試験実施のために人件費および謝金が発生することが予想されたため、本年度の使用を限定した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ヒト口腔内におけるアムロジピン口腔内崩壊錠からの薬物溶出2018

    • 著者名/発表者名
      椎葉祐貴、田中紫茉子、片山剛、蛭川直哉、神谷千明、袴田晃央、小田切圭一、乾直輝、内田信也、渡邉裕司、並木徳之
    • 学会等名
      日本薬剤学会第33年会
  • [学会発表] 健康成人および高齢患者におけるサイズの異なる錠剤の服用性および取り扱い性2018

    • 著者名/発表者名
      森廣槙吾、長尾亮佑、内田信也、柏倉康治、石坂優佳、伊藤譲、並木徳之
    • 学会等名
      日本薬学会第138年会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi