研究実績の概要 |
浜田産婦人科の合阪幸三先生との共同研究である「妊娠可能年齢女性におけるマクロTSH血症」に関して、研究内容をまとめて第87回米国甲状腺学会(Victoria, Canada)で発表した。更に検討を加えて米国甲状腺学会official journalであるThyroidに投稿し、現在review中である。305人のTSH>2.5mU/LでfT4正常の40歳以下の潜在性甲状腺機能低下症の女性の血清をポリエチレングリコール(PEG)法でスクリーニングし、ゲル濾過、Protein G法で確定診断した。3人のマクロTSH血症患者が認められたが、PEG法、ゲル濾過法、Protein G法の間で結果の解離が認められ、更なる検討が必要と思われた。また、24人の女性でヒト抗マウス抗体(HAMA)による見かけ上の高TSH血症が認められた。甲状腺ホルモン補充療法を考慮する際、マクロTSHおよびHAMAの存在に注意する必要があると考えられる。 インスリン使用中の糖尿病患者におけるインスリン自己抗体の研究を進め、研究内容をENDO2018(Chicago, USA)にて発表した。In vitroでインスリン自己抗体に反応しにくいインスリンアナログを見いだし、抗体のためインスリン抵抗性を来した患者に最適のインスリンアナログを提供できないかという点を検討した。29症例の2型糖尿病患者での検討では、使用インスリンアナログ製剤(ヒューマリンR、ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ、ランタス、レベミル、トレシーバ)の種類に関わらずインスリン抗体は7種類のインスリンアナログすべてに交叉反応してしまうという結果であった。さらに症例数を増やして検討する必要があると考えられた。
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