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2019 年度 実績報告書

シスプラチン耐性腫瘍におけるスタチン製剤の抗腫瘍効果機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08479
研究機関産業医科大学

研究代表者

栗田 智子  産業医科大学, 医学部, 講師 (30519864)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードシスプラチン耐性 / スタチン / グルタチオン / ドラックリポニショニング
研究実績の概要

ロバスタチン応答エレメントの解析が上手く進行できなかったため、シスプラチン耐性細胞ではグルタチオンの合成が亢進していることから、スタチンがグルタチオン合成系を阻害するか検討した。
マイクロアレイ結果のうち、耐性細胞でglobal normalizationした値が50以上、耐性細胞で4倍以上発現が増加していたmRNAは17種類あり、その中でUBE2L6に着目した。シスプラチン処理によりUBE2L6は誘導されるが、20μM 24時間添加したHela細胞のmRNA量はHCP4(シスプラチン0μM)と比較し非常に少なかった。Hela-OEのシスプラチンに対する感受性はコントロールと比較し差がなかったが、HCP4-shUBE2L6は10μMでシスプラチンに有意に感受性を示した。ABCB6の発現量は耐性細胞で高発現し、UBE2L6のknock-downによりABCB6のmRNA発現が約20%抑制された。UBE2L6を抑制した細胞ではABCB6のプロモーター活性は約30%低下していた。
シスプラチン感受性はUBE2L6の発現を抑制すると改善するが、過剰発現させても変化しないことより、他の因子を介在していると考えられた。HCP4-shUBE2L6のマイクロアレイ結果よりUBE2L6に関連して変化する遺伝子としてABCトランスポーターの一つであるABCB6が挙げられた。HCP4-shUBE2L6細胞で、ABCB6遺伝子はmRNAの発現、プロモーター活性ともに抑制されており、ABCB6はUBE2L6により転写調節され、シスプラチン耐性に関与していると考えられた。
シスプラチン耐性細胞で高発現している遺伝子の一つにUBE2L6を初めて同定した。UBE2L6はABCトランスポーターの一つであるABCB6の発現を誘導し、シスプラチンを細胞外に排出することで耐性化に関わっている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Indification of genes involved in cisplatin resistance and elucidate the mechanisum2019

    • 著者名/発表者名
      村上緑 栗田智子 厚井知穂 和泉弘人 吉野潔
    • 学会等名
      第57回日本癌治療学会総会
  • [学会発表] Identification of genes involved in cisplatin resistance and attempts to overcome its resistance2019

    • 著者名/発表者名
      村上緑 栗田智子 厚井知穂 和泉弘人 吉野潔
    • 学会等名
      第71回日本産科婦人科学会学術講演会
  • [学会発表] UBE2L6の発現とシスプラチン耐性2019

    • 著者名/発表者名
      和泉弘人 栗田智子 吉野潔 蜂須賀徹 森本泰夫
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術総会

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公開日: 2021-01-27  

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