研究課題/領域番号 |
17K08480
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
|
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
安楽 誠 崇城大学, 薬学部, 教授 (60398245)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | キトサン / シクロデキストリン / 創傷治癒 / 硫酸化多糖類 / 徐放化 / 抗酸化作用 / 静電的相互作用 |
研究成果の概要 |
本研究では,皮膚や臓器の創傷治癒に対して,副作用が懸念される化学的な結合ではなく物理的な静電相互作用を利用した安全で副作用の無いイオン性高分子によるゲルシートを調製し,その治療への応用を試みた.具体的には天然多糖キトサンナノファイバー(SDACNFs),サクラン及び溶解補助剤であるシクロデキストリン(CyD)の組み合わせによる安定性に優れ,かつ多機能型高分子ゲルシートを調製し,ラット褥瘡モデルにおける有意な褥瘡抑制効果や大腸炎マウスモデルにおける抗酸化及び抗炎症効果を確認した.今後,本研究で得られたゲルシートを基盤とし,さらなる創傷被覆材や臓器保護材への応用を試みる予定である.
|
自由記述の分野 |
医療薬学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガーゼ等の創傷被覆材は細胞増殖因子を含む体液まで吸収し,創傷治癒を遅らせる原因となることが報告されている.そこで,傷痕が残らずにより早く創傷を治癒させるためには,創傷部を湿潤環境に保つことが有効であり,ゲル状の創傷被覆材や臓器保護材の開発が進んでいる.さらに近年,これら創傷被覆材と薬物の併用による創傷治癒効果の促進が期待されており,薬物の効果を最大限に長時間維持するためには,創傷部における薬物の有効濃度を長時間一定に保つ必要がある.したがって,創傷部を適度に湿潤させ,かつ薬物保持効果を持つ安定なゲルシートの作製が望まれている.
|