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2018 年度 実施状況報告書

脳脊髄液のフルイッドダイナミクスにおける転写因子Pax6の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08486
研究機関東北大学

研究代表者

稲田 仁  東北大学, 医学系研究科, 講師 (60419893)

研究分担者 大隅 典子  東北大学, 医学系研究科, 教授 (00220343)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードPax6 / Sox2 / 交連下器官
研究実績の概要

Pax6は脳の初期発生に重要な役割を果たしている転写因子である。胎生期の脳の発生において、Pax6は交連下器官(Subcommissural organ, SCO)の形成に必要であることが報告されているが、生後脳の交連下器官における機能は明らかにされていない。本研究では、若齢~成体マウスにおけるPax6の交連下器官での発現を解析した。
生後32日目の若齢マウスおよび84日目の成体マウスにおいて、Pax6抗体および交連下器官マーカーであるSCO-spondinの抗体を用い、免疫染色法によって解析した。構造的に同定した交連下器官において、SCO-spondinの強い発現が観察され、Pax6との二重染色によって、交連下器官におけるPax6の強い発現が維持されていることが確認できた。
また、Pax6が発現している交連下器官領域がどの様な細胞から構成されているか、免疫染色法によって解析した。生後32日目のマウス脳において、各種細胞の分子マーカー(ニューロン:NeuN、アストロサイト:GFAP、オリゴデンドロサイト:Olig2、ミクログリア:Iba1、幹細胞:Sox2)に対する免疫染色を行った結果、交連下器官におけるSox2の強い発現が観察された。NeuN、GFAPおよびOlig2の発現は観察されず、わずかなIba1の発現が観察された。
以上の結果より、交連下器官においてPax6の強い発現が生後も維持されていることが明らかになった。このことは、Pax6が生後の交連下器官の機能維持に必要であることを示唆している。また、交連下器官で強いSox2の発現が観察されたことから、交連下器官に神経幹細胞様の細胞が存在する可能性が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

市販されている抗SCO-spondin抗体を用いた免疫染色の条件検討に時間を必要としたが、最終的にシグナルが検出できる条件を見つけることができた。
Cre リコンビナーゼを発現するアデノ随伴ウイルス(AAV-cre)の入手が遅れていたが、入手することができた。

今後の研究の推進方策

AAV-creの脳室内投与によって上衣細胞特異的なPax6cKOを作成し、免疫染色法によりSCOの構造およびPax6の発現を解析する。
Pax6cKO マウス(CAG-CreEsr1;Pax6-floxed)を用いて、胎生期または出生後に薬剤誘導的にPax6を欠損させたマウスにおいて、脳の全体的な構造およびSCOの形成・機能発現について免疫染色法により解析する。
対照マウスおよびPax6cKO マウスからSCOを単離・培養し、TTRおよびSCO-spondinの分泌能をELISA法によって解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 細胞特異的Pax6欠損マウス(GFAP-cre;Pax6-floxマウス)における表現型の解析2018

    • 著者名/発表者名
      稲田仁、荒木峻、山中慎也、大隅典子
    • 学会等名
      次世代脳プロジェクト冬のシンポジウム2018

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公開日: 2019-12-27  

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