研究課題/領域番号 |
17K08499
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
太田 正人 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (70313228)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 神経堤細胞 / 転写調節 / 口蓋裂 / 心室中隔欠損 / コンディショナルノックアウトマウス / Meis2 |
研究実績の概要 |
<実験計画1.Wnt1-cre/Meis2cKOマウスの作製および表現型の解析>神経堤細胞特異的にcreリコンビナーゼを発現して遺伝子組み換えを 行なうことが可能なWnt1-creマウスとコンディショナルノックアウトアリルをもつfloxed-Meis2マウスのコロニーを本学の動物飼養施設にて交配しつつ維持し、Wnt1-cre/Meis2cKOマウスの作製およびサンプル収集を行なった。 その際に、Floxd-Meis2マウスのジェノタイピングが安定しなかったため、新たにジェノタイピング用ライマーを設計し直し、PCRの反応条件を再検討して最適化を行なった。個体のサンプリングとジェノタイピングを進めつつある。 <実験計画2.初代培養組織の細胞増殖、細胞死の解析>実験計画1に並行して、マウスの組織を用いて、細胞増殖と細胞死の解析を行なうこととした。BrdUを母獣に腹腔内注射により投与する方法とEdUを同様に投与する方法を比較しつつMeis2コンディショナルノックアウトマウスにおける細胞増殖を解析した。 <実験計画3.微少細胞塊からの網羅的な遺伝子発現解析>マウスの口蓋突起や遊郭乳頭に存在する味蕾の微小組織を材料とし、マイクロアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行うため、微細構造を走査電子顕微鏡で観察して、形態学的に検討した。 <実験計画4.神経堤細胞のスフェア細胞塊を用いたMeis2転写複合体解析>神経堤由来の間葉組織のスフェア培養については予備実験を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンディショナルノックアウトマウスを作成するためのコロニーが順調に維持でき、個体数を増やすことができた。また、BrdUを母獣に腹腔内注射により投与する方法とEdUを同様に投与する方法を比較しつつMeis2コンディショナルノックアウトマウスにおける細胞増殖の解析方法を確立できた。 さらに、マウスの口蓋突起や遊郭乳頭に存在する味蕾の微小組織を材料とし、微細構造を走査電子顕微鏡で観察できた。 神経堤由来の間葉組織のスフェア培養については予備実験を行ない、培養条件の検討を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
<実験計画1.Wnt1-cre/Meis2cKOマウスの作製および表現型の解析>Wnt1-cre/Meis2cKOマウスのコロニーをさらに大きくしつつ、交配により胎児のサンプリングを行い、胎児の段階での口蓋裂や心奇形の発生を組織学的に解析する。 <実験計画2.初代培養組織の細胞増殖、細胞死の解析>実験計画1に並行して、マウスの組織を用いて、EdUを同様に投与する方法を比較しつつMeis2コンディショナルノックアウトマウスにおける細胞増殖を解析し、組織学的に細胞死関連遺伝子のin situ hybridization法による発現解析などを行う。 <実験計画3.微少細胞塊からの網羅的な遺伝子発現解析>マウスの口蓋突起の微小組織を材料とし、マイクロアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行う。 <実験計画4.神経堤細胞のスフェア細胞塊を用いたMeis2転写複合体解析>神経堤由来の間葉組織のスフェア培養を行ない、転写複合体の解析を生化学的な手法により解析する。
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