グルタミン酸受容体NR3Aは発現部位や生理機能に不明な点が多い。本研究ではマウス脳において、登上線維―小脳抑制性介在ニューロン間、グルタミン酸作動性終末―大脳皮質ソマトスタチン陽性介在ニューロン間の非シナプス性の結合部位にNR3Aが選択的に集積することを明らかにした。さらに、こうした部位にはkv4.3とNR1が共局在していた。NR3Aと生化学的複合体を形成する分子を探索した結果、共局在するKv4.3は複合体には含まれておらず、NR1のみであることがわかった。またNR3A欠損マウスでは運動失調などの小脳の異常に起因するような表現型や、小脳分子層での明らかな組織学的異常も観察されなかった。
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