• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

脂肪細胞における新規形質転換メカニズムの組織学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K08508
研究機関山形大学

研究代表者

中野 知之  山形大学, 医学部, 准教授 (00333948)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード脂肪細胞 / ジアシルグリセロールキナーゼ / 体温産生 / 寒冷暴露 / インスリン
研究実績の概要

本研究課題は、動物実験の条件変更やCOVID-19感染症の蔓延により研究計画を延長した。令和2年度までの実験により、epsilon型ジアシルグリセロールキナーゼ(DGKe)遺伝子欠損(KO)マウスを寒冷環境で飼育すると、野生型に比べ、直腸温が有意に低下することを見出した。研究最終年度である令和3年度は、体温低下の原因を追究した。その結果、寒冷刺激によって、DGKe-KOマウスでは、非震え熱産生機構(non-shivering thermogenesis)の中心的部位である褐色脂肪組織(BAT)において、交感神経活性が上昇するが熱産生は亢進しないことが明らかになった。この時、血中インスリンレベルの亢進が認められ、さらにBAT特異的にインスリンシグナルの増強が認められた。交感神経刺激を受容する。b3アドレナリン受容体(b3AR)の細胞内局在を精査したところ、野生型マウスでは形質膜に局在するが、DGKe-KOマウスでは、細胞質内に取り込まれていることが明らかとなった。よって、DGKe-KOマウスでは、寒冷刺激によりインスリン分泌が亢進し、b3ARの内在化が生じることが、体温上昇を妨げる原因であると考えられた。これらの実験結果は、第67回日本解剖学会東北・北海道連合支部学術集会および第127回日本解剖学会総会で発表し、予定した研究計画を終え、現在は結果をまとめて国際誌に投稿する準備中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Diacylglycerol Kinase ε in Adipose Tissues: A Crosstalk Between Signal Transduction and Energy Metabolism2022

    • 著者名/発表者名
      Nakano Tomoyuki、Goto Kaoru
    • 雑誌名

      Frontiers in Physiology

      巻: 13 ページ: 815085

    • DOI

      10.3389/fphys.2022.815085

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Cellular expression and subcellular localization of diacylglycerol kinase γ in rat brain2021

    • 著者名/発表者名
      HOZUMI Yasukazu、NAKANO Tomoyuki、GOTO Kaoru
    • 雑誌名

      Biomedical Research

      巻: 42 ページ: 33~42

    • DOI

      10.2220/biomedres.42.33

    • 査読あり
  • [学会発表] DGKε欠損マウスにおける適応熱産生機構の解析2022

    • 著者名/発表者名
      中野知之、後藤 薫
    • 学会等名
      127回日本解剖学会総会
  • [学会発表] DGKε遺伝子欠損マウスはインスリン依存的に非震え熱産生機機構の障害を引き起こす2021

    • 著者名/発表者名
      中野知之、後藤 薫
    • 学会等名
      第67回日本解剖学会東北・北海道連合支部学術集会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi