ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は、DGのリン酸化を介してエネルギー代謝と細胞内情報伝達系を調整する。DGKεは、細胞内での脂質合成部位である小胞体に局在することから、本プロジェクトではDGKε遺伝子欠損マウスを用いた研究を行った。同マウスを高脂肪食で長期間給餌すると、精巣上体白脂肪組織に褐色化が生じることが明らかとなった。寒冷暴露実験においては、同マウスは寒冷刺激に脆弱であることが示唆され、体温低下を補うためベージュ化が生じることが明らかとなった。本プロジェクトにより、高エネルギー負荷や寒冷暴露などの生体刺激により、DGKε欠損は脂肪組織における形質転換を惹起することが明らかとなった。
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