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2019 年度 実施状況報告書

マウス個体発生におけるPtch1とXIAPによる細胞死抑制メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08513
研究機関浜松医科大学

研究代表者

青戸 一司  浜松医科大学, 医学部, 助教 (60360476)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードPtch1 / XIAP / 細胞死抑制機構 / 繊毛 / HA tag ノックインマウス / GONAD法 / CRISPR-Cas9 / プロテオーム解析
研究実績の概要

本研究では、マウス個体発生におけるPatched1(Ptch1)のC末端と、結合タンパク質X-linked inhibitor of apoptosis protein (XIAP)などによる細胞死抑制機構の生理的役割の解明を目的とする。
具体的には、1)CRISPR-Cas9法によってPtch1-CのXIAP結合部位の変異マウスを作製し、個体発生におけるPtch1-XIAPによる細胞死抑制の生理的役割とその分子メカニズムを解明する、
2)Ptch1とXIAPへのタグノックインマウスを作製し、Ptch1とXIAPの線毛での局在変化を明らかにすることを目的としている。平成30年度、令和元年度は、迅速に変異マウスを作製する法として、妊娠が確定した雌マウスの卵管膨大部にCRISPR-Cas9の溶液を注入し、エレクトロポレーションによって受精卵のゲノムに変異を与える方法(GONAD法)により作製したPtch1のC末端のXIAPの結合部位欠損マウス(Ptch1-dIBS)、Ptch1のC末端への2xHAタグ挿入マウス(Ptch1-2xHA)の交配による個体数の増加と、ホモ変異体の経過観察を行った。しかしながら、Ptch1-dIBSのホモ変異体マウスでは月齢が半年以上経過しても、Ptch1のヘテロノックアウトマウスの30%に見られる皮膚、脳グリア、筋肉などにみられる癌化は観察されなかった。一方で、初期にPtch1-2xHAホモ変異体では出生後に致死になる仔マウスが観察されたが、現在はホモ個体が生まれてきている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

変異マウス作製法として、妊娠が確定した雌マウスの卵管膨大部にCRISPR-Cas9の溶液を注入し、エレクトロポレーションによって受精卵のゲノムに変異を与える方法(GONAD法)を確立した。これまでこの方法で20系統以上の変異マウス作製ができている。本研究ではPtch1のC末端のXIAPの結合部位欠損マウス(Ptch1-dIBS)、Ptch1のC末端への2xHAタグ挿入マウス(Ptch1-2xHA)の作製に成功した。Ptch1-dIBSマウスでは、2年を経過しても何も症状が現れなかった。現在はPtch1-2xHAマウスと、他で作製したFlagノックインマウスを解析して、GONAD法をい用いたsmall tagノックインマウスの有用性について論文発表にしようとしている。

今後の研究の推進方策

変異マウス作製法として、妊娠が確定した雌マウスの卵管膨大部にCRISPR-Cas9の溶液を注入し、エレクトロポレーションによって受精卵のゲノムに変異を与える方法(GONAD法)を確立した。これまでこの方法で35系統以上の変異マウス作製ができている。本研究ではPtch1のC末端のXIAPの結合部位欠損マウス(Ptch1-dIBS)、Ptch1のC末端への2xHAタグ挿入マウス(Ptch1-2xHA)の作製に成功したが、Ptch1-dIBSのホモ変異体マウスは半年以上月齢が経つが表現型は現
れていない。さらに飼育したが、2年を超えて表現型は現れていない。
HA抗体を用いてPtch1-2xHAの胚の神経管、あるいは脳組織での免疫染色、免疫電子顕微鏡法を行い、Ptch1の発現の詳細を観察している。特に、繊毛での局在を確認する。また、同じ方法で作製したFlagノックインマウスも合わせて、GONAD法をい用いたsmall tagノックインマウスの有用性について論文として研究を求めようと考えている。

次年度使用額が生じた理由

GONAD法で作製したマウスの表現型を次年度まで観察する必要が生じた。その解析として、サンプル作製費用、蛍光顕微鏡の使用量等が必要になる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Nanopore sequencing reveals a structural alteration of mirror‐image duplicated genes in a genome‐editing mouse line2019

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto Sachiko、Aoto Kazushi、Hiraide Takuya、Nakashima Mitsuko、Takabayashi Shuji、Saitsu Hirotomo
    • 雑誌名

      Congenital Anomalies

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/cga.12364

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] GONAD法を用いたゲノム編集スモールタグノックインマウス作製による脳・顔面発生の解析:標的特異抗体の不必要の方法2019

    • 著者名/発表者名
      青戸一司、高林秀次、宮嵜岳大、才津浩智
    • 学会等名
      第61回歯科基礎医学会学術大会
  • [学会発表] GONAD法を用いたスモールタグノックインマウスの作製とその応用2019

    • 著者名/発表者名
      青戸一司、高林秀次、宮嵜岳大、才津浩智
    • 学会等名
      第4回ゲノム編集学会

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公開日: 2021-01-27  

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