加齢やストレスによる「食欲不振」は栄養不良に伴うフレイル・サルコペニア・認知症の発症原因となる。しかし、未だ有効な食欲改善薬は開発されていない。本研究では、内臓感覚神経の1種「求心性神経」に対する香辛料成分の作用と摂食亢進作用について検証した。 辛味受容体TRPA1に作用するニンニク成分のジアリルトリスルフィド(DATS)は、求心性迷走神経を介した脳作用により摂食量を亢進させた。DATSはストレス性食欲不振マウスやグレリン抵抗性マウス(食欲促進ホルモン作用が障害)に対して摂食量を増進させたことから、今後の新規摂食不振改善薬・食品の開発のためのさらなる基礎・応用研究への発展が期待される。
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