膵β細胞からのインスリン分泌は毛細血管方向へCa2+依存性に極性分泌されることが示唆されているがその分子機構は未だ不明である。本研究では神経終末での極性分泌を担うアクティブゾーン蛋白質ELKSに着目し、膵β細胞におけるインスリン極性分泌機構の解明を目的とした。研究の結果、ELKSは毛細血管側のβ細胞膜領域でL-type 電位依存性Ca2+チャネルと複合体を形成しており、グルコース刺激により直ちに引き起こされるCa2+流入を促進させ、インスリン分泌第1相における毛細血管方向へのインスリン極性分泌を促進性に調節していることを明らかにした。
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