細胞外液のpHの低下は、ラット副腎髄質細胞においてTASK1様チャネルを抑制して、カテコールアミン分泌を促進する。しかし、TASKチャネルの分子構造は、不明である。そこで、この問題をgene knockout法を用いて検討した。pH低下による脱分極性内向き電流及びカテコールアミン分泌は、TASK1の遺伝子欠損により抑制されたが、TASK3の遺伝子欠損では影響されなかった。TASK1様免疫反応物は主に細胞辺縁に局在したが、TASK3様免疫反応物はほとんど存在しなかった。以上の結果から、副腎髄質細胞においてTASK1 homomerが酸のセンサーとして機能していると結論された。
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