研究課題
基盤研究(C)
本研究では、下垂体における成長ホルモン(GH)産生に関与するmiRNAの同定とその機能解析を行い、個体の成長におけるmiRNAの関与を検討することを目的とした。下垂体GH産生細胞特異的にmiRNAを欠損させたマウスでは、体長、体重の減少、GH産生細胞数の減少、血中IGFレベルの減少することを見出した。GH産生細胞株とGH非産生細胞株を比較した結果、GH産生細胞に高発現するmiRNAを複数同定し、一部のmiRNAをGH非産生細胞株に導入すると、GH産生を誘導することが明らかになった。
実験薬理学、神経内分泌学
下垂体は内分泌系による生体恒常性維持において、中枢神経系と末梢標的器官とをつなぐ重要な内分泌器官である。したがって、下垂体の機能調節機構を明らかにすることは、ホルモンを介した成長制御、ストレス応答反応、生殖機能制御等を理解する上で、極めて重要な研究課題である。本研究でGH産生におけるmiRNAの機能の一端が明らかとなり、GH分泌不全等の下垂体機能不全の病因を理解することにもつながると期待される。