研究課題/領域番号 |
17K08559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
岡田 泰昌 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部), 電気生理学研究室, 客員研究員 (80160688)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 呼吸中枢 / アストロサイト / グリア細胞 / カルシウムイメージング / 摘出脳幹脊髄標本 / 低酸素 / 低酸素換気応答 / 呼吸調節 |
研究成果の概要 |
呼吸リズム形成におけるアストロサイトの役割の解明を目的とし、新生ラット摘出脳幹脊髄標本にカルシウムイメージングを応用し、延髄呼吸中枢において呼吸リズムと同期した活動を呈するニューロンおよびアストロサイトを見出し、アストロサイトの活動はニューロン活動に依存しない自律性なものであることを示した。
低酸素は呼吸に増強性に作用する。標本を低酸素に曝露させた際の呼吸リズム形成機構の変化を解明するため、低酸素負荷時のアストロサイトサイト活動を解析し、延髄呼吸中枢のアストロサイトはTRPA1チャネルを低酸素センサーとした低酸素興奮性を有し、低酸素時の呼吸調節において重要な働きをしていることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
呼吸神経生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
安静時のみでなく、運動時や睡眠中も、脳での呼吸調節により体内の酸素化状態を常に適正に保つことが重要であるが、脳はどのように呼吸リズムを形成し、酸素レベル低下時に呼吸を増強させるかは、解明されていない。本研究により、延髄呼吸中枢のグリア細胞・アストロサイトは、呼吸リズム形成において重要な役割を果たし、さらに低酸素のみでなく二酸化炭素によって興奮することが確かめられ、低酸素血症および高二酸化炭素血症を呈するCOPD等の呼吸器疾患症例における呼吸調節において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。この成果は様々な呼吸調節障害症例の病態理解および新規治療法開発に基礎的知見を提供すると期待される。
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