N6-メチルアデノシン修飾(m6A修飾)は、RNAのメチル化修飾であり、RNAの様々な機能に影響することが知られている。視床下部摂食代謝中枢は、食欲や熱産生を制御することにより全身のエネルギーバランスを調節し、体重を一定に保つ役割をしている。本研究では、m6A修飾の脱メチル化酵素のFTOが、視床下部摂食代謝中枢の特定のニューロンで、体重を増加させる働きをしていることを明らかにした。その機序としては、FTOが、m6A脱メチル化を介して選択的スプライシングを調節し、軸索輸送に影響を与えており、その結果、食欲の亢進、効率的な栄養素の利用につながることが示唆された。
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