研究課題/領域番号 |
17K08591
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
Thumkeo Dean 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (40372594)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | mDia / Treg / 免疫寛容 |
研究実績の概要 |
Treg細胞は様々な自己免疫疾患やがんに深く関わっているが、その細胞分化の分子機構についてはこれまで主に転写因子foxp3に着目した研究が行われてきたが、この過程における細胞骨格の関与についてはこれまでほとんど不明であった。申請者はこれまで、アクチン重合因子mDia1/3二重欠損マウスを用いることにより、Treg細胞の分化にはmDiaが促進的に働くことを見い出した。本研究では、さらにmDia DKO T細胞やmDiaのアクチン重合活性を阻害するinhibitorを用いて、Treg細胞分化におけるmDiaの分子作用機序を解析し、Treg細胞分化のメカニズムを分子レベルで包括的に理解することを目的としている。本年度は、誘導型mDia1/3のconditional knockout mouseを用いて、CD4 T細胞を単離し、in vitroでTamoxifenを添加することにより、遺伝子欠損を行い、in vitroにおいてもmDia1/3はTreg細胞の分化に不可欠であることを確認した。さらに、F-actinの蛍光標識であるEGFP-lifeactを細胞に導入し、mDia1/3欠損T細胞のF-actinの構造が著しく阻害されていることを見いだした。これらの結果から、mDiaによって制御されるF-actinのTreg細胞の分化が示唆されていると考える。一方、mDia欠損Treg細胞と野生型のTreg細胞のエピゲネティクス状態の違いを検討するために、誘導型mDia1/3のconditional knockout mouseとEGFP-foxp3トランスジェニックマウスの掛け合わせを行なっている。今後はFACSソーティングによって、このマウスよりTreg細胞を精製し、ヒストン修飾などについて調べる予定である。以上の研究を通じて、mDiaは細胞骨格アクチンを介してどのようにTreg細胞の分化に関わっているのかについて明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度では、上述したように、mDia欠損によりTreg細胞の分化がin vitroにおいても阻害されることを確認し、さらにはF-actinのイメージングを行ったことによりmDiaによって制御されるF-actinが関わっていることを明らかにした。また、mDia欠損Treg細胞と野生型T細胞のエピゲネティックス状態の違いを検討するために、必須である誘導型mDia1/3のconditional knockout mousexEGFP-foxp3トランスジェニックマウスの作成を進めている。以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はmDia1/3欠損Treg細胞と野生型Treg細胞のepigenetics状態及び遺伝子発現プロフィールの違いを明らかにしたいと考えている。今年度中に、解析に必須である誘導型mDia1/3のconditional knockout mousexEGFP-foxp3トランスジェニックマウスが完成次第、実験を開始する予定である。さらには得られた結果に基づいて、これらepigenetics状態及び遺伝子発現の変化とmDia依存的な細胞骨格アクチンとの関係について考察を行いたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していた実験が大きなトラブルもなく順調に進んだため、計画よりも購入した消耗品の金額が少なかったために、次年度使用額が生じた。次年度には主に消耗品の購入に使用する予定である。
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