本研究では、EPRAP欠損マウスを用いて食事誘導性肥満モデルを作成し、肥満における慢性炎症でのEPRAPの機能を検討した。その結果、肥満の状態では、野生型と比較しEPRAP欠損マウスにおける全身の炎症マーカーの発現等に有意差は無く、むしろEPRAP欠損マウスでは肝臓での糖新生が著明に抑制され、耐糖能異常が有意に改善されることを明らかにした (Higuchi S, et al. 2019)。EPRAPは、各臓器や組織、細胞特異的な機能を有し、生体防御や精神神経系、エネルギー代謝など実に様々な面で生体の恒常性維持に極めて重要な働きをしていることが明らかとなった。
|