研究課題/領域番号 |
17K08605
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
細山田 真 帝京大学, 薬学部, 教授 (00291659)
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研究分担者 |
富岡 直子 帝京大学, 薬学部, 助教 (60525814)
金子 希代子 帝京大学, 薬学部, 教授 (90147075)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ / ウリカーゼ / キサンチンオキシドレダクターゼ |
研究実績の概要 |
本研究では、心血管障害や腎障害の独立した危険因子である高尿酸血症の発症メカニズムを明らかにする研究に必要な、尿酸代謝に関与する酵素であるUox、HPRT、XDHの発現量をそれぞれ欠失、増強、抑制させてヒトの発現量に一致させたマウスを作出し系統樹立することを目的としている。平成29年度の研究実施計画として、HPRT高活性UoxノックアウトマウスとXDHノックアウトマウスを交配させた後、ヒトXDH低発現トランスジェニックマウスと交配させてHPRT高活性Uox-XDH-ダブルノックアウト-ヒトXDH低発現マウスを作出する予定であった。当該年度の研究成果として、HPRT高活性UoxノックアウトマウスとXDHノックアウトマウスの交配による187匹の産仔のうち、HPRT低活性XDHノックアウトマウスが2匹、HPRT高活性XDHノックアウトマウスが2匹得られた。HPRT低活性XDHノックアウトマウスは既存の報告通り7週齢で死亡した。そのため、HPRT高活性XDHノックアウトマウスで繁殖を試みたが、それぞれ12週齢と23週齢で死亡し、HPRTの発現量増強によって寿命の延長は認めたものの、繁殖には至らなかった。12週齢で死亡したマウスはUoxワイルドであり、23週齢で死亡したマウスはUoxヘテロであったことから、XDHノックアウトマウスをヒトXDHの欠失であるキサンチン尿症患者と同様に生存させるためには、Uoxを欠失させておかねばならない可能性が考えられる。そのため、先にHPRT高活性UoxノックアウトXDHヘテロマウスを系統樹立した。現在、HPRT高活性Uox-XDH-ダブルノックアウトマウスを作出するためにHPRT高活性UoxノックアウトXdhヘテロマウス同士を交配させている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度の研究実施計画として、HPRT高活性UoxノックアウトマウスとXorノックアウトマウスを交配させた後、ヒトXOR低発現トランスジェニックマウスと交配させてHPRT高活性Uox-Xor-ダブルノックアウト-ヒトXOR低発現マウスを作出する予定であった。XorノックアウトマウスにHPRT高活性アレルを導入してHPRT高活性Xorノックアウトマウスを作出したが、作出率は約1%と低く、作出したHPRT高活性Xorノックアウトマウスは次世代を残す前に死亡することが23週齢後に判明した。この時点で計画を変更し、先にHPRT高活性UoxノックアウトXorヘテロマウスを系統樹立し、その後HPRT高活性Uox-Xor-ダブルノックアウトマウスを作出することにした。また、XOR活性は欠失ではなく抑制をすれば良いことから、HPRT高活性UoxノックアウトXorヘテロマウスにヒトXOR低発現トランスジェニックマウスを交配させることにより、Xorノックアウトマウスの作出を回避してXOR活性の抑制に到達する方法に変更した。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトXOR低発現トランスジェニックマウスの作出に着手し、ヒトXORプロモーター領域-1~-842のクローニングを終了した。さらにヒトXOR cDNAのPCRクローニングを行い、hXORp-hXOR cDNAの導入遺伝子コンストラクトを作成し、ヒトXOR低発現トランスジェニックマウスを作出する。 一方、XorノックアウトマウスをHPRT高活性化することにより寿命延長効果は認められたので、寿命延長のメカニズムについて検討し、Xorノックアウトマウスが死亡する原因とその回避策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウスの繁殖が想定より遅かったため。
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