研究課題/領域番号 |
17K08614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋本 あり 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60390803)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Arf6 / PD-L1 / 免疫チェクポイント / 免疫回避 / 癌免疫 |
研究成果の概要 |
本研究において、膵癌のドライバー遺伝子KRAS変異とTP53変異が協調してArf6-AMAP1経路を高発現させ活性化することにより浸潤・転移等の悪性度進展に関与すること、さらに当該経路が免疫回避に関与し、その機序の一つとして当該経路が免疫チェックポイント分子PD-L1の細胞膜表面へのリサイクリングの亢進に関与する新規作用機序を見出した。また、エピジェネティック因子EZH2がArf6及びPD-L1の発現制御に関与することを見出し、その制御候補分子の同定を行った。引き続き、Arf6経路阻害により、抗PD-1抗体を用いた免疫チェックポイント阻害療法に対する抵抗性を改善出来ることを見出した。
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自由記述の分野 |
分子細胞生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、膵癌のドライバー変異がArf6-AMAP1経路を高発現活性化することにより、膵癌の悪性度進展を促進し、悪性予後因子となる重要な知見を得た。さらに、エピジェネティック因子EZH2はArf6経路因子及びPD-L1の遺伝子発現に関わること、Arf6-AMAP1経路はPD-L1の細胞内動態制御にも関わり,免疫回避を駆動していることを見出した。実際、Arf6-AMAP1経路阻害は免疫チェックポイント阻害療法に対する抵抗性を改善し、奏功性を相乗的に高めることを実証した。本研究成果により、Arf6-AMAP1の高発現は膵癌の適用バイオマーカーとして有効であり、新規治療戦略の創出が期待出来る。
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