低分子量Gタンパク質の中でも血管内皮細胞や血管平滑筋細胞に豊富に存在するRhoAに着目して研究を行った。生体において血管でのRhoAの作用を解析するため、血管内皮特異的または血管平滑筋特異的RhoAノックアウトマウスを作製した。血管内皮特異的RhoAマウスは、胎生期において血管形成の異常により全例胎生致死となった。一方、血管平滑筋特異的RhoAマウスは正常に出生してきた。このマウスに薬剤を投与して血管にストレスをかけると、コントロールマウスと比較して、大動脈瘤の発生率が増加した。以上より、RhoAは血管の形成・維持において胎生期から成体まで重要な役割を果たしていた。
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