ERなどのオルガネラからミトコンドリアへのPC輸送機構は細胞生物学や脂質生化学において重要な研究課題の一つであるが、長い間解明されていなかった。今回、研究代表者が先行研究で見出したタンパク質StarD7が上記輸送機構の一端にかかわることを分子のレベルで明らかにした。ところで、ミトコンドリア病を引き起こす原因遺伝子の変異は未だ多くが不明である。本研究ではStarD7によるPC輸送機構が破綻すると、ミトコンドリアの機能低下が生じ、筋細胞の分化能が著しく阻害されミオパチーの原因になり得ることを示唆した。
|