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2017 年度 実施状況報告書

上皮間葉転換に寄与するリン酸化蛋白質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K08648
研究機関北里大学

研究代表者

白木原 琢哉  北里大学, 医学部, 助教 (30548756)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードEMT / チロシンリン酸化
研究実績の概要

TGF-βによって誘導されるEMT(上皮間葉移行)の形態変化や細胞運動能をFGFシグナルが増強するeEMT(enhanced-EMT)と名付けた現象に関与するチロシンリン酸化シグナルの解析を行っている。
平成29年度は質量分析法を用いてeEMT関連タンパク質の同定を試みた。上皮細胞へのTGF-β単独刺激によるtEMT(TGF-β induced-EMT)とTGF-β+FGF-2によるeEMTをそれぞれ長期培養で誘導し、総タンパク質やチロシンリン酸化タンパク質の比較解析を二度行った。
一度目の解析では、無刺激とeEMTとtEMTの総タンパク質をそれぞれショットガン法で同定した。約3600タンパク質で比較を行い、eEMTで特異的に発現量が2倍以上増加する60タンパク質を抽出した。過去の報告や予測される機能、細胞内局在などを参考にして優先順位付けをし、ノックダウンによる機能解析を行った。これまでに10種のTet依存的なshRNA誘導細胞株を作製したが、eEMT誘導を抑制するものは見つかっていない。
二度目の解析では、安定同位体標識をしたリジンを含む培地を用いるSILAC法を利用した。本手法ではeEMTとtEMTの試料調製を1つの試料として行うため、比較解析におけるノイズを減弱することができる。SILAC培地で培養したeEMTとtEMTの細胞抽出液を混合し、総タンパク質と抗チロシンリン酸化抗体により精製したリン酸化タンパク質を再びショットガン法で解析した。約2000の総タンパク質と約350のリン酸化タンパク質に発現量の差が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では初年度に候補タンパク質の絞り込みを終わらせる予定であったが、現在は進行中である。ただし、リン酸化タンパク質の同定方法を研究計画時の銀染色によるゲル切り出しからSILAC培地を使ったショットガン法へと変更したことにより、より信頼性の高いデータと多くのタンパク質候補が得られたと考えている。

今後の研究の推進方策

初年度に行ったSILAC法では、eEMTとtEMTで約350のチロシンリン酸化タンパク質量に差が見られた。次年度は、その中からeEMTで4倍以上増加している約60タンパク質に注目し、機能解析を進める。shRNAによるノックダウン細胞株を作製し、eEMT誘導に影響を及ぼすタンパク質の絞り込みを行う。続いて、リン酸化がeEMTの状態、更にはがん細胞の運動能・浸潤能にどう寄与しているのかを解明する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に予定していた抗体など試薬の購入が次年度へとずれ込んだため。抗体の購入、shRNAの合成オリゴの外注などに使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The effects of FGF signaling on TGF-beta-induced EMT2017

    • 著者名/発表者名
      Takuya Shirakihara
    • 学会等名
      8th International EMT Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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