本研究課題では、マラリア感染の初期段階において赤血球から放出されたNADが細胞外シグナル伝達物質として作用し、マラリア感染防止に働いているという仮説をにもとづき、細胞外NADシグナルがどの様にマラリア感染防御機構に関与しているのかを解明することを目的とした。その結果、マラリア感染により、NAD合成経路のうち、Preiss-Handler経路が活性化していることが解った。また、NADは細胞外においてマクロファージに作用し、様々な炎症性サイトカインを放出させることが解った。しかしながらマクロファージの活性化にはTLR4は関与しておらず、別経路での活性化機構が存在していることが示唆された。
|