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2017 年度 実施状況報告書

褐色脂肪細胞を活性化させる分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08667
研究機関岩手医科大学

研究代表者

長谷川 豊  岩手医科大学, 医学部, 講師 (90451559)

研究分担者 武部 典子  岩手医科大学, 医学部, 講師 (30398474)
石垣 泰  岩手医科大学, 医学部, 教授 (50375002)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード褐色脂肪細胞 / 肥満 / 熱産生
研究実績の概要

世界的に肥満人口は増加している。肥満は、メタボリック症候群と呼ばれる内臓脂肪の蓄積とインスリン抵抗性を背景に動脈硬化を進展させ様々な疾患を引き起こすため社会問題となっているが、画期的な治療法がなく、早急な治療法の開発が求められている。そこで本研究では、肥満の病態・分子機序を解明し、肥満・糖尿病の治療に結びつけることを目的としている。
脂肪細胞は、大きく分けて白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類がある。褐色脂肪細胞は、多数のミトコンドリアを含有し、熱産生を主な機能としている脂肪細胞である。近年、ヒト成人の脂肪組織にもこの褐色脂肪細胞が存在し、肥満や耐糖能に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなってきたため、治療のターゲットとして注目している。
褐色脂肪細胞の分化・機能維持に関わる転写因子の役割解明:糖代謝に重要な役割を果たしていることを見出すことができた。さらに詳細な研究を進めることで、新たな概念を示す可能性が期待される。
褐色脂肪細胞の機能に関わる酵素の役割解明:褐色脂肪細胞ではこの酵素活性が非常に高く肥満の病態形成に深く関与していることを見出した。次年度以降、この分子が果たしている詳細な機序の解明を進めていく。
褐色脂肪細胞を活性化を促す化合物の探索:熱産生を促し肥満・糖尿病治療に役立つ可能性がある化合物のスクリーニングを行っている。肥満や糖尿病に対する新しい治療法の開発につながる可能性が想起される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

褐色脂肪細胞の分化・機能維持に関わる転写因子の役割解明:熱産生には直接関わらない新たな機序で、糖代謝へ影響を及ぼしていることを解明できた。さらに詳細な機序の解明を目指して、研究を推進していく。
褐色脂肪細胞の機能に関わる酵素の役割解明:新たな視点から酵素の役割解明を進められている。
褐色脂肪細胞を活性化を促す化合物の探索:スクリーニングのアッセイ方法を確立し、化合物を選定することができた。今後、2次スクリーニングと詳細な機序の解明を進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

研究代表者らは、肥満や糖・脂質代謝の病態に関与する褐色/ベージュ脂肪細胞の役割について報告を行ってきた。褐色/ベージュ脂肪細胞は、熱産生機序以外にも様々機能や役割を果たしていると考えられる。今後は、細胞レベルでの機能の解析と個体レベルでの代謝に及ぼす役割の解明を進め、臨床への応用を目指して、研究を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

自身での研究推進により人件費・謝金経費を抑えることができた。
次年度以降に、予定していた遺伝子発現解析や培養細胞実験を遂行していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Repression of Adipose Tissue Fibrosis through a PRDM16-GTF2IRD1 Complex Improves Systemic Glucose Homeostasis.2018

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa Y
    • 雑誌名

      Cell Metabolism

      巻: 27 ページ: 180-194

    • DOI

      10.1016/j.cmet.2017.12.005.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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