PS遺伝子のヒト神経細胞での生理的機能を検討するため、CRISPR/Cas9系を用いて、健常人由来ヒト人工多能性幹細胞(iPSC)からPS条件的ノックアウトiPSCを作製した。これらのiPSCを大脳皮質神経細胞へ分化誘導し、Cre発現レンチウイルスを感染させることで、神経細胞でのPS発現を消失させることに成功した。これらのPSノックアウト神経を用いてAβ産生を測定したところ、PS1/PS2の両方ともノックアウトした神経細胞のみAβの低下が認められた。マウスでのAβ産生には主にPS1が重要であることから、ヒト神経細胞ではマウスとは異なるPS/γセクレターゼの性質を持つことが示された。
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