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2019 年度 実績報告書

ヒストンを中心としたタンパク質新規アシル化の制御機構と生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08669
研究機関順天堂大学

研究代表者

西田 友哉  順天堂大学, 医学部, 准教授 (10581449)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアシル化 / アセチル化 / βヒドロキシブチル化 / ケトジェニック食 / ヒストン修飾
研究実績の概要

タンパクのアシル化修飾に関しては、ケトン体を介した制御機構の存在が知られている。ケトン体は糖・脂質代謝において重要な役割を担う代謝産物であり、近年ケトジェニック食による寿命の延長効果が報告されている。それらの知見に基づき、ケトン体による制御が明らかとなっているリシン残基のアセチル化とβヒドロキシブチル化(βOHB化)に着目し解析を進める方針とした。
まず、炭水化物を含まないケトジェニック食をマウスに投与し、投与開始1週間以降で血中ケトン体濃度が有意に増加することを確認した。一方で、投与を5週間継続したのち行ったグルコース負荷試験では、コントロール食投与群と比べて有意な血糖値の変化は認められなかった。
ケトジェニック食を6週間投与後にマウスの各臓器を摘出し、アセチル化及びβOHB化の変化について検討した。肝臓における検討では、whole cell lysate(WCL)でケトジェニック食群でアセチル化およびβOHB化の増加が認められた。さらにヒストンを抽出しその検討を行ったところ、アセチル化に関しては変化が認められなかった一方で、βOHB化に関してはWCLと同様にケトジェニック食群での増加が認められた。H3K9acやH3K9βOHBといった特異的な修飾についても検討を行ったが、同様の結果が得られた。
さらに、心臓や腎臓については肝臓と同様にWCLではアセチル化及びβOHB化の増加が認められたものの、ヒストンにおいてはβOHB化の増加のみが示された。脳においてはこれらのアシル化の増加は顕著ではなかった。
これらの結果から、βOHBの増加は酵素非依存的な経路でタンパク修飾を行う可能性がある一方で、アセチル化に関しては以前より報告されているHDACの阻害などの酵素依存的な経路が主たる制御機構である可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Establishment of a system for screening autophagic flux regulators using a modified fluorescent reporter and CRISPR/Cas92019

    • 著者名/発表者名
      Yazawa Rieko、Nishida Yuya、Aoyama Shuhei、Tanida Isei、Miyatsuka Takeshi、Suzuki Luka、Himuro Miwa、Haruna Hidenori、Takubo Noriyuki、Shimizu Toshiaki、Watada Hirotaka
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 516 ページ: 686~692

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.bbrc.2019.06.129

    • 査読あり
  • [学会発表] ケトン体の抗老化作用2020

    • 著者名/発表者名
      西田友哉
    • 学会等名
      第63回日本糖尿病学会年次学術集会 シンポジウム9

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公開日: 2021-01-27  

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