マウス骨髄造血細胞に対して表面マーカー解析および造血コロニーアッセイを行ったところ、KDM4Bの欠損は、定常状態においてこれらには大きな影響を及ぼさないことがわかった。 一方でRUNX1-RUNX1T1融合遺伝子を導入した場合には、KDM4Bの欠損によって造血コロニーリプレーティング活性の低下を認めたことから、コロニー形成細胞に対するRNA-seqを用いた網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、KDM4Bは遺伝子発現レベルで、早期から8;21転座白血病細胞の未分化性の維持に寄与していることが強く示唆された。マウス造血細胞を用いた骨髄移植実験の結果も、KDM4Bの8;21転座白血病に対する病態促進的な役割を支持した。
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