研究課題
インプリント遺伝子のアレル特異的遺伝子発現は、アレル特異的DNAメチル化領域(imprinted differentially methylated region, iDMR)に制御される。本研究の成果として2018年度に公表したイルミナ社EPICアレイ上の476個のDMRプローブ情報が、インプリンティング疾患の一つであるSilver-Russell症候群94例のゲノム・エピゲノム診断分類研究(Inoue et al. Clin. Epigenet. 2020)並びにZNF597-DMR低メチル化を呈する胎児発育遅延症例の同定研究(Yamazawa et al. J. Med. Genet. 2020)に有用であった。分子バーコードによりPCR重複リード除去が可能なアンプリコンシーケンスライブラリ作製プロトコールを確立し、専用のデータ解析スクリプトを作出した。本研究で開発したバイサルファイトアンプリコンシーケンス法にこの分子バーコード技術を導入する。ヒトゲノムにおける全てのiDMRを標的としたキャプチャーバイサルファイトシーケンスを試行し、その精度評価を進めている。B6系統・JF1系統間交配で得たマウスF1雑種9.5日胚を対象としたATACシーケンス解析を実施し、アレルの区別が可能なオープンクロマチンプロファイルを取得した。このデータセットは、これまでに取得したcapture-HiCデータと併せて、インプリント遺伝子クラスターを対象としたクロマチン高次構造研究における基盤情報として有用である。以上のように、これまでに本課題で開発・確立したエピゲノム解析技術を疾患エピゲノム診断に応用し、さらに技術改良を推進した。これらの成果の一部は書籍で紹介した。
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