研究課題
pT1 de novo癌47例を対象とした。病変の大きさは8.3±1.5 mm、発生部位は、盲腸0例、上行結腸7例(14.9%)、横行結腸6例(12.8%)、下行結腸3例(6.4%)、S状結腸19例(40.4%)、直腸12例(25.5%)であった。癌の優勢像組織型は乳頭腺癌、管状腺癌高分化39例(83.0%)、管状腺癌中分化6例(12.8%)、低分化腺癌2例(4.2%)であった。47例を対象として、p53免疫染色、ミスマッチ修復遺伝子蛋白(MLH1, MSH2, MSH6, PMS2)に対する免疫染色、DSB(DNA二重鎖切断)マーカーであるγH2AX免疫染色を行った。47例全例のHE染色標本画像はバーチャルスライドに取り込み、残存粘膜内部(以下粘膜内部)と粘膜下層浸潤部(以下SM浸潤部)とのマッピングを行い、それを元に、各種免疫染色の評価は粘膜内部とSM浸潤部とに分けて行った。その結果、p53免疫染色については、nonesense mutationの指標となる完全陰性が、粘膜内部で46.8%, SM浸潤部で46.8%、missense mutationの指標となるびまん性もしくは巣状強陽性が、粘膜内部で42.5%、SM浸潤部で42.5%あり、p53遺伝子異常が推定されるものが粘膜内部で87.2%、SM浸潤部で89.4%であった。粘膜内部とSM浸潤部の一致率は89.4%であった。ミスマッチ修復遺伝子蛋白の発現消失例は粘膜内部で1例(2.3%)、SM浸潤部で2例(4.6%)のみであった。粘膜内部とSM浸潤部の一致率は97.7%であった。γH2AX陽性率は、粘膜内部で平均39.57%、中央値18.16%、SM浸潤部で平均6.67%、中央値1.95%であり、粘膜内部がSM浸潤部に比べ有意に高いγH2AX陽性率を示した(P<0.001)。
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