研究課題/領域番号 |
17K08692
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
九嶋 亮治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40252382)
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研究分担者 |
向所 賢一 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50343223)
松原 亜季子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80626325)
石垣 宏仁 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90432301)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胃底腺ポリープ / 胃底腺ポリープ様病変 / プロトンポンプ阻害薬 |
研究実績の概要 |
PPI内服患者における胃底腺ポリープの組織学的な変化を明らかにするため、事前研究を行った。結果、PPI内服患者の胃底腺ポリープにおいては、特に胃底腺粘膜深部での腺窩上皮の増殖が多いことがわかり、このことが嚢胞の拡大、ポリープの増大に関与している可能性があることがわかった。研究成果を第108回日本病理学会総会で発表し、優秀演題賞に選出された。さらに、同研究では、PPI内服患者の胃底腺ポリープを対症にβ-cateninの遺伝子変異を調べたところ、9.7%の症例においてのみ変異がみられた。これは既報と比べるとはるかに低い頻度であり、分子病理学的にも古典的な胃底腺ポリープと異なる可能性が示唆された。研究成果をHISTOPATHOLOGYに発表予定である(in press)。 また、PPI内服患者の胃底腺ポリープにdysplasiaと呼ばれる腫瘍性異型上皮を伴った症例を経験し、この症例でみられたdysplasiaの変化はmalignant potentialの低い腫瘍性異型であったことを報告した (Pathol Int. 2018 Dec;68(12):706-711)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胃底腺ポリープ様病変の組織学的、分子病理学的特徴を明らかにするため、研究を進めている。事前のシミュレーションでは「胃底腺ポリープ」と病理診断された症例のうち13%程度が「胃底腺ポリープ様病変」であると想定していている。症例数400症例に対して、2018年は206例の症例登録が完了されたが、未だ十分な症例数に達していない。大分大学倫理委員会、滋賀医科大学倫理委員会に期間の延長申請を行い、研究期間を2019年12月31日まで延長を行った。
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今後の研究の推進方策 |
対象となる症例の登録がうまくいっていない可能性があるが、研究協力者の福田昌英は、2019年4月から大分大学医学部消化器内科に医員としてポジションを得、研究者番号を取得したため、研究分担者に追加することを申請した。これにともない、症例集積をさらに進めることができる。
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