現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
進行大腸癌における発生部位に基づいたmicrosatellite stable (MSS)型癌の分子異常の差異について解析を行った。TP53変異の頻度は左側大腸癌に有意に多く、KRAS変異の頻度は右側大腸癌に有意に多かった。右側大腸癌と左側大腸癌においてCIMPの頻度には差がなかった。Copy number alteration (CNA)についてはgainとlossに大別し、後者を更にloss of heterozygosity (LOH)、copy neutral LOH (CN-LOH)に分類した。CNA-gainとtotal CNAは右側型癌に比較して左側癌に多かった。核染色体の遺伝子座については特定の遺伝子座において左側型と右側型の間に差異がみられた。特にgainとして10q14.1-14.2に位置するCDK4/6が、copy neutral LOHとして3p24.3に位置するRARβ2遺伝子が候補遺伝子の1つとして示唆された。研究成果については終了し成果は”Takahashi Y, Sugai T, Habano W, Ishida K, Eizuka M, Otsuka K, Sasaki A, Takayuki Matsumoto, Morikawa T, Unno M, Suzuki H. Molecular differences in the microsatellite stable phenotype between left-sided and right-sided colorectal cancer. Int J Cancer. 2016;139:2493-501.”に発表された。
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