研究課題
本邦におけるⅡ型enteropathy-associated T-cell lymphoma(EATL;現monomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma; MEITL)患者26症例を対象とし、病理組織学的特徴を遡及的に検討した。研究対象26例中、多発病変を小腸15例(58%)、十二指腸8例、大腸6例に各々認めた。組織学的に検索した22例中、粘膜内腫瘍を20例(91%)、上皮内腫瘍性リンパ球浸潤を17例(77%)に各々認めた。免疫組織化学染色では、病変部位において多数のCD56/CD8陽性上皮内リンパ球浸潤を認めた。また、腫瘍細胞において高頻度にc-Met(78%)、pMEK1/2(91%)、c-Myc(42%)、およびBcl2(73%)の発現を認めた。蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法で検索した17症例において、染色体 7q31(c-Met)および8q24(c-Myc)の増殖を65%および71%の症例で検出した。一方、7q31の増幅とc-Met蛋白発現をCD8陽性またはCD56陽性の末梢T細胞またはNK細胞リンパ腫で高頻度に認めた(P <0.01)。以上より、本邦のMEITL/Ⅱ型EATLでは、c-Met-MEK-MAPK経路の活性化、およびc-Myc-Bcl2経路細胞の生存が腫瘍発生に関与している可能性が示唆されると結論した。本研究により、本邦におけるMEITL/Ⅱ型EATLの病態の一部が解明できたものと考える。
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