研究課題
前年度までに、膵臓癌細胞株のみならず、大腸癌細胞株においてもCD274を高発現する分画が高い浸潤遊走能、細胞分裂能を示すことを見出しているが、これをもとに、大腸癌細胞株より、様々なCD274発現を示すクローンを樹立した。それらクローンのCD274発現を誘導、および低減させるレンチウイルスを作成し、これら大腸癌クローンに感染させ、CD274発現を変化させたことによる表現型の変化をin vitroの実験系を用いて観察している。膵臓癌細胞株、および大腸癌細胞株における、CD274高発現分画と低発現分画を網羅的に解析・比較し、抽出した。その中で、癌幹細胞分画の維持、上皮間葉転換(EMT)、腫瘍細胞の悪性形質の制御に関連すると思われる遺伝子群の発現を誘導・低減させるレンチウイルスを作成し、各細胞株における表現型の変化をin vitroの実験系を用いて観察している。前年度までに、愛知医科大学における大腸癌手術症例より大腸癌腫瘍組織アレイを作成し、大腸癌間質線維芽細胞におけるCD70発現が患者の予後を規定することを見出し報告したが、今年度は、CD47発現が、マクロファージチェックポイントを介して腫瘍細胞の免疫逃避を促進させ、同腫瘍患者の予後を悪化させていることを明らかにした(Int J Mol Sci. 7;22(5):2690, 2021)。また、大腸がんの予後良好因子として、PBK(Virchows Arch., doi: 10.1007/s00428-021-03062-0. Online ahead of print.)、PHH3(Pathol Int., doi: 10.1111/pin.13084. Online ahead of print.)も同定した。
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巻: 7 ページ: 2690
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