研究課題/領域番号 |
17K08708
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研究機関 | 公益財団法人佐々木研究所 |
研究代表者 |
岩屋 啓一 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 病理部長 (50312012)
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研究分担者 |
河手 敬彦 東京医科大学, 医学部, 助教 (30532303)
田辺 真彦 東京大学, 医学部, 准教授 (30572333)
河野 勤 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 研究員(移行) (80506064)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
前年度に、DJ-1蛋白質のトリプシン消化によるペプチド断片の回収率の改善を行った。この検討のなかで疎水性ペプチドのイオン化効率が上昇し、C106を含むペプチドマッピングに成功した。また、MALDI 質量分析器を駆使して(Matrix-assisted laser desorption/ionization in-source decay)、消化ペプチド断片のアミノ酸配列 を読み取る技術を獲得した。 Matrix-assisted laser desorption/ionization in-source decayを用いて、インスリン製剤の鑑別を行った。近年、インスリン製剤を用いた犯罪が疑われているが、その検証が難しかった。Matrix-assisted laser desorption/ionization in-source decayで検討したところ、市販される全ての製剤を判別することが可能になった。 DJ-1タンパク質については、種々のストレスに暴露した細胞株を用いて、軽度に酸化した状態を検出しようと試みた。種々のストレスに暴露した検討中の細胞は、液体窒素内にて凍結保存されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウイルス対策の一環として、PCR検査を担当した。 コロナパンデミックに対応するために、Covid-19のPCR検査を担当し、独自の検査体制を確立し、精度管理を行った。地域住民を対象に3500件を超えるPCR検査を実施した。このため、当初予定していた研究はほぼストップした。
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今後の研究の推進方策 |
現在までのデータを踏まえ、DJ-1が過剰発現し、軽度の酸化が起こった状態が、癌としての増殖を促すシグナルである可能性を考える。軽度の酸化状態を検出する実験系を構築中である。 研究期間の最終年度にあたり、研究を加速させ、DJ-1の酸化が癌化のメカニズムに関与する可能性を証明する。 最終年度であり、期間中に得たデータをまとめて論文発表する。
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