研究課題/領域番号 |
17K08712
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
相田 順子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (80425678)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | バレット食道 / バレット腺癌 / テロメア |
研究実績の概要 |
世界的に見てバレット腺癌の発生母地はバレット食道の腸型上皮であるとされており、バレット食道の定義に必須とされている。しかし、我々はこれまでに早期の癌に隣接する粘膜の性状から組織発生学的に噴門型の上皮から発生するバレット癌が存在することを報告してきた。また、組織切片において噴門型上皮と腸型上皮のテロメア長をQ-FISH法により解析することでそれらの染色体不安定性に差がないことを明らかにしてきた。今回、生検組織を用いて、その後のフォローアップ中に バレット癌の発生した組織と発生しなかった組織とで染色体不安定性の検証を行うことを目的として研究を計画した。研究対象としては、バレット食道からのランダム生検組織で、腫瘍性病変のないものを用い、免疫染色により噴門型・腸型の上皮に分類、組織切片を用いたQ-FISH法により各々のテロメア長を解析し、フォローアップ語に腺癌の発生した症例と発生のない症例とで比較を行う計画であった。 前年度までに研究目的に合致した症例が不足していることが明らかとなった。共同研究者(ドイツ)より既に供与されているバレット食道検体について追跡ができていないものが予想よりも多く、フォロー後に癌の発症した症例が著しく不足している。さらに追加症例を依頼したが、最近、ドイツにおける共同研究および検体供与の手続きが以前よりも厳しくなり、また研究代表者の研究施設においてもドイツでの正式な倫理承認を求められたため、手続きを要し、今年度追加提供される予定であった検体の貸出が遅れた。解析を開始したが、解析結果を集計する十分な症例の集積が不足している。現在の所、癌の発症群と非発症群とで有意な差は見られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までに研究目的に合致した症例が不足していることが明らかとなり、った。共同研究者(ドイツ)より既に供与されているバレット食道検体について追跡ができていないものが予想よりも多く、フォロー後に癌の発症した症例が著しく不足している。さらに追加症例を依頼したが、最近、ドイツにおける共同研究および検体供与の手続きが以前よりも厳しくなり、また研究代表者の研究施設においてもドイツでの正式な倫理承認を求められたため、手続きを要し、今年度追加提供される予定であった検体の貸出が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定よりも検体入手に遅延が生じ、生検後のフォローが予想以上にドイツではなされていないことがわかり、フォロー中に癌を発症した症例が不足しそうなので、他の施設に目的に合致する症例がないか当たる。また、5年以上経った、というのもますます難しいので、もう少し近年のものも検索してもらい、症例を補充して解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月末に海外で学会があり、今回の研究に直接関係する発表はできなかったものの協力研究者との打ち合わせを含め、関連した他の研究を行っている研究者達とdiscussionしたり新しい知見を得る目的で学会に参加することとしたため、前倒し請求を行ったが、クレジットカード引き落としなどの関係で支払いの一部が次年度に繰り越されたため。主として3月参加の旅費として使用する予定である。
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