研究課題
基盤研究(C)
尿路上皮癌の肉腫様変化、充実型胃低分化腺癌ともに、SWI/SNFクロマチン再構成因子関連タンパクの発現異常を認めた。肉腫様変化や充実形態の腫瘍発生に、SWI/SNFクロマチン再構成因子の関与が示唆された。また、明細胞腎癌の肉腫様変化ではSWI/SNFクロマチン再構成因子の関与は認められなかったが、非肉腫様成分および肉腫瘍様成分共に、SMARCA4タンパクの減弱を効率に認めた。これらの所見より、明細胞腎癌の診断ツールとしてSMARCA4の免疫染色が有用である可能性が考えられた。
人体病理学
癌腫において、形態学的にとらえることができる高悪性度変化である肉腫様変化が、SWI/SNF型クロマチン再構成因子複合体関連蛋白異常と関連している可能性が示唆された。このことは、高悪性度変化へのリスクの評価や治療、また、それを抑制するような方策開発の一助になると考えられる。