研究課題/領域番号 |
17K08725
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
赤津 裕康 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00399734)
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研究分担者 |
正木 克由規 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (00365652)
兼松 孝好 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (20381824)
田中 創始 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30433220)
大原 弘隆 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80285212)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 神経原線維変化 / 補体 |
研究実績の概要 |
a) 年間30例程の病理解剖症例の蓄積は継続して進められている。ただ、神経原線維変化型認知症(SD-NFT)及び嗜銀顆粒型認知症(AGD)の症例は必ずしも多数ではないため、症例数の点からは当初の計画どうりには増えていない。ただ、これまでに病理解剖が終了し、病理診断まで終了している症例における臨床・病理解剖記録の臨床 記録のデータ収集は終了している。新たな症例に関しては、今後もサンプル収集、臨床・病理解析を進めていく。 b) 病理検索においては、神経病理診断のため一般的形態的組織染色の他老人斑を形成するアミロイド蛋白(Aβ)や、神経原線維変化の原因物質であるリン酸化タウ蛋白(p-tau)などの 主な免疫染色も新たに追加された症例を除いて終了している。さらに蓄積された症例に関しても臨床神経病理検討会を定期的に行ない、一定ペースで進めている。マーカー候補の探索においては、特に補体の挙動に関して、神経原線維変化でも特異的な活性化を示唆する知見を得ることが出来た。現在、さらに詳細な分析を進めるために各種抗体の入手を進めているが、入手に時間を要する抗体もあり進行の妨げとなっている。 c) マイクロアレーの解析に関しては予算的に多数例の解析が困難であり、当初の予定から遅れている状況である。 d) メタボローム解析も若干の遅れが出ている。ヒト脳サンプルの前処理条件検討は終了しており、 SD-NFT/AGD症例での解析を行なえる準備を整えている状況。 e) 一方、血液診断マーカー探索は本年度からの予定であったが、解析用の血液サンプルの収集は予定よりも早く収集の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗体・試薬等の入手状況、研究環境の変化などにより昨年度はやや進捗が遅れている。またマイクロアレー解析においては本年度の予算を調整し解析の検討を行う。
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今後の研究の推進方策 |
神経原線維部位における補体活性化の可能性を示唆する現象を捉えることが出来たため、ある程度、その方向性に集中してデータ収集に務め成果獲得につなげていきた。 また、本年度より分担研究者の体制も改変し、研究データの解釈において、統計学的見地から分析出来る体制を強化した。 研究環境の変化はまだ組織改変が終わった状況でもあり、本年度も急激に改善することは期待できないが、何とか環境整備にも務めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度は論文作成等での校正費、出版費、学会発表のための旅費など、成果公表のための活動を主に充てる予定で次年度使用額が発生する。
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備考 |
補体の国際的権威であるカーディフ大BPMorgan教授の下で今後の共同研究の可能性の打ち合わせを行った。
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