研究課題
不死化中皮細胞(Met5A)を親株にして作製したCDKN2A/BAP1-double Knock Out (KO)中皮細胞においても、CDKN2A-KO中皮細胞およびBAP1-KO中皮細胞と同様に増殖能に有意な変化を認めなかった。一方、CDKN2A-KO中皮細胞およびBAP1-KO中皮細胞の遊走能を調べたところ、BAP1-KO中皮細胞において高度な低下を認めた。当施設で新たに樹立した不死化中皮細胞(MesF)を親株にして作製したBAP1-KO中皮細胞においても遊走能は低下していた。BAP1変異は細胞増殖能よりも細胞遊走能に深く関与していると考えられる。Met5A由来のBAP1-KO中皮細胞と対照細胞の遺伝子発現プロファイルを細胞遊走因子に焦点を当てて比較解析したところ、BAP1-KO中皮細胞で発現が著しく低下する細胞遊走因子Xを見出した。この細胞遊走因子XはMesF由来のBAP1-KO中皮細胞においても高度に発現低下していた。BAP1免疫染色により悪性中皮腫の症例におけるBAP1発現を調べたところ、BAP1陰性群の頻度は上皮型中皮腫で56.0%、肉腫型中皮腫で28.6%であった。Kaplan-Meier生存曲線を描いたところ、上皮型中皮腫ではBAP1陽性群の方がBAP1陰性群よりも予後不良であった。BAP1変異は予後不良を示す因子とはならないと考えられる。
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