インフルエンザ関連死亡例の分子病理学的解析により、A/H1N1pdm09 亜型インフルエンザウイルス感染肺組織ではA/H3N2亜型と比較し、ウイルスゲノムが肺の末梢部位からも検出されること、びまん性肺胞傷害の肺病理像を呈することがあることがわかり、亜型により、重症化リスクが異なる可能性が示唆された。重症インフルエンザの病態において、単球マクロファージからインフルエンザウイルス抗原やゲノムが検出されても、ウイルス複製が起こっているか等については不明であったが、電子顕微鏡を用いた3D解析により、単球マクロファージと肺胞上皮細胞におけるウイルス粒子の局在や複製中間体構造の有無の相違が明らかになった。
|