現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度(2018年度)は,2017年度の経験を踏まえ,ウエーブレット変換+クラスター分析と組み合わせた方法を検討した。肺腺癌の各パターン(T01-T10)のアノテーションを行いそこから,20788枚のパッチ画像を抽出,その2/3を学習データとし,1/3をテストデータとして前述の方法で検討した。総合正答率は0.892であった。誤ったものを抽出し検討してみると,乳頭型,腺房型の分類,あるいは乳頭型,微小乳頭型の分類が十分でないことが分かった。また,この検討を未アノテーション画像で検討したところ,十分な結果が得られなかった。そこで,機械学習の別の方法として,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた検討を行った。前述データセットからパッチ画像を抽出,様々なネットワーク(U-net, SegNet, Dilated-Net, DeepLabv3+, Hrd-Switch-CNN)で計測したところ,多クラスでの正解率は画像の倍率5倍,10倍,20倍)ごとにことなり,すなわち0.577, 0.552, 0.495であった。病理判定(パターンのクラス分け)は比較的低拡大で行う傾向があるが,パターンによっては拡大をあげて検索していることが原因と考えられた。そこで,画像に応じてどの視野を活用するかを判断して複数視野を統合する方法(adaptively weighting multi-field-of-view CNN)を考案,多クラス解析では,既存ネットワークでのoverall pixcel accuracy (OPa)が,0.433-0.625であったのに対し,考案法では,0.641と改善がみられた。
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